「口角ボトックスで不自然になる?」
「口角ボトックスで本当に口角は上がるの?」よく患者様から頂く質問です。
口角ボトックスはその名の通り
「口角を上げる治療」として知られていますが、
実際には単に口角を上げる治療ではなく
「笑顔のバランスを整える治療」だと考えております。
では実際口角ボトックスによって笑顔がどのように変化するのでしょうか?
解剖学的な視点から説明したいと思います。
口角ボトックスとは?
口角ボトックスは、
口角を下に引く筋肉である口角下制筋(Depressor Anguli Oris:DAO)に
ボトックスを注入する治療です。
口角には、口角を上に引き上げる筋肉(挙上筋)と、
下に引き下げる筋肉(下制筋)が存在し
笑顔はこれらの筋肉のバランスによって作られています。
口角ボトックスではDAOの働きを弱めることで、
相対的に挙上筋が働きやすくなり、口角が上がりやすくなります。
そのため口角ボトックスは「口角を無理に上げる治療」ではなく、
「口角を下げる力を弱める治療」だと言えると思います。
口角ボトックス、効果が出やすい人は?
実は口角ボトックスは誰にでも同じように効果を感じるわけではありません。
DAOの働きがもともと強い方では効果が出やすい一方で、
笑顔時にDAOをあまり使わない方では変化が限定的になります。
つまり、口角を下げる力が強い人ほど、口角ボトックスの効果を感じやすいと言えます。
より効果的に口角を上げるには?
実は口角を下げる筋肉はDAOだけではありません。
特に重要なのが広頚筋(Platysma)です。
広頚筋はフェイスラインから首、鎖骨にかけて広がるシート状の筋肉で、
面積も大きく、口角を引き下げる力にも大きく関与しています。
また、オトガイ筋も口元の表情バランスに影響を与える筋肉の一つです。
そのため、DAOだけを治療しても十分な改善が得られない場合は
広頚筋やオトガイ筋など、他の下制筋の強さも確認するといいと思います。
口角を下げる力が強い人ってどんな人?
ではどのような方が口角ボトックスの良い適応なのでしょうか?
私が診察でチェックするのは笑顔の時のお口周りの動きです。
笑顔の際に
- 口角が横方向に伸びて口角が上がりにくい
- 口角を上げようとするとピクピク緊張が見られる
- 下の歯が見えやすい
などです。
このような特徴がある方は下制筋が強い可能性があるので
ボトックスでDAOなどの下制筋の働きをコントロールすると
笑顔の印象が良くなる可能性が大きいです。

笑顔時に口角が横に伸びたり、下の歯が見えるようなタイプの方はDAO、Platysmaなどの下制筋が強いのでボトックスで効果が出やすい。
口角ボトックスでエコーを使うメリット
口周りの筋肉がどのように広がっているかは患者様によって様々です。
エコーを用いることで、治療のターゲットとなるDAOの位置だけでなく
周りの効かせたくない筋肉も含めて位置を確認出来るので
失敗のリスクを減らしつつ、より効率的に治療することができます。
まとめ
口角ボトックスは口角が下がりがちな方におすすめの治療です。
特に笑顔時に口角の上がりにくさを感じている場合は
DAOだけでなく、広頚筋も含めて複数の下制筋にアプローチすると
より効果を感じやすくなると思います。
さらにエコー併用することで、より精度の高い治療も可能ですので
お気軽にご相談くださいね。

