SNSなどでよく耳にする「ヒアル顔」。(over filled syndrome)

Overfilled Face Syndrome: A Narrative Review and Proposal for a New Classification Frameworkより引用
カウンセリングでも、
「ヒアルロン酸治療には興味があるけれど、
芸能人の〇〇さんのような不自然な顔にはなりたくありません。」
というご相談を受けることが少なくありません。
しかし、ヒアルロン酸を注入したからといって、
必ずしも”ヒアル顔”になるわけではありません。
患者様のお顔立ちや加齢の変化を見極め、
適切な製剤を、適切な層へ、適切な量だけ注入すれば、
不自然になることなく自然な若返りは十分可能です。
「ヒアル顔」になる3つの原因
ヒアル顔の原因として考えられるのは、主に次の3つです。
① 表情筋より浅い層(皮下浅層)への不適切な注入
② 一部分への多量注入
③ 皮膚の薄い部位への過剰注入
① 表情筋の動きを考えずに注入している
テレビを見ていて「不自然だな」とよく感じるのは、
笑った時に頬だけが不自然に膨らんで見えるというようなケースではないでしょうか。
私たちは真顔でいる時間よりも、
会話や笑顔など何らかの表情を作っている時間の方が長いです。
そのため、表情筋の上(皮下浅層)にヒアルロン酸を多く注入すると、
筋肉が動くたびにヒアルロン酸が押し上げられ、頬がモコッと膨らんで見えます。
また、浅い層へ注入する場合には、表情の動きに追従しやすい柔らかい製剤を選択し、
必要最小限の量にとどめることが重要です。
製剤が硬すぎたり、量が多すぎたりすると、
笑顔を作るたびにヒアルロン酸の存在感が出てしまい、不自然な印象につながります。
② 一部位への多量注入
ヒアルロン酸は水分を保持する性質があります。
そのため、1か所へ大量に注入すると、製剤自体のボリュームに加えて
ヒアルの吸水性による膨らみも加わり、顔がパンパンに見えてしまうことがあります。
若々しい印象を作るために大切なのは、「たくさん入れること」ではなく、
「必要な部位へ必要最小限の量を入れること」です。
③ 皮膚の薄い部位への過剰注入
特に目の下は顔の中でも皮膚が非常に薄いため、治療には注意が必要です。
筋肉より深い層へ適切に注入した場合でも、製剤の種類や注入量によっては、
凹凸が目立ったり、むくんだように見えたりすることがあります。
そのため私は、エコーで解剖を確認しながら狙った層へ正確に注入し、
必要最小限の量で治療することを心掛けています。
皮膚が薄い部位ほど、「どこに入れるか」と同じくらい、
「どれくらい入れるか」が重要になります。
ヒアル顔になりやすい人の特徴
もともと皮膚が薄い方は、少量のヒアルロン酸でも輪郭や膨らみが目立ちやすく、
不自然な印象になりやすい傾向があります。
一方で、ニキビ跡がある方や脂性肌で毛穴が大きく、皮膚が厚く硬い方では、
皮膚や皮下組織の硬さによってリフトアップ効果が得られにくいことがあります。
その結果、「まだ足りない」と判断して追加注入を繰り返し、
必要以上のヒアルロン酸が入ってしまうケースも少なくありません。
皮フが薄い方、厚い方は肌育製剤で肌のクオリティを高めたり
高周波で肌に熱刺激を与えて引き締めることが重要です。
栄養療法で肌の構成成分を補うことも大切ですね。
肌のクオリティを高めてヒアル顔になりにくいような肌作りをすることがおすすめです。
まとめ
ヒアル顔の原因は、ヒアルロン酸という製剤そのものではありません。
どの層へ、どの製剤を、どれくらいの量で注入するか。
そして、表情筋の動きや顔全体のバランスまで考えてデザインすることが、
自然な仕上がりにつながります。
私がヒアルロン酸治療で大切にしているのは、「シワを埋めること」ではなく、
「なぜそのシワやくぼみが生じたのか」を解剖学的に考えることです。
その原因に的確にアプローチすることで、必要以上のヒアルロン酸を使わず、
自然で美しい若返りを目指しています。

